オンガクカンキョウソウゾウカ?

「なにか」を追究するサウンドデザイン
会社員になって痛感する「時は金なり」
プロジェクト1出身 2006年入学 横山夏子さん
現・ゲームメーカー サウンドプログラマー

誰もが憧れる、京都の某ゲームメーカーに勤める横山 夏子さん。
ゲームのサウンドを作りつつ、演奏活動も行うなど幅広く活動されている。
彼女をサウンドデザインへと突き動かした「なにか」を探り出すべく、編集部は取材を敢行した。

サウンドデザインがしたい! ゲーム会社・アニメーション制作会社

――今現在のお仕事について教えてください。

コンシューマゲームの開発をしています。肩書きとしてはサウンドプログラマーですが、効果音作成、音声収録・編集・加工が主な仕事です。

――今の職に就かれるまでの過程を教えてください。

サウンドデザインがしたい、でも技術力に自信がない&性格的に自分で仕事をとってくるのは絶対できなさそうというわけで、サウンドデザイン的なことができそうで新卒枠がある会社に絞って就活していました。具体的に受けたのはゲーム会社とアニメーション制作会社でした。

今の仕事にも通じている音環生時代

――音楽環境創造科に入学するまでのご経歴についてお聞かせください。

3歳頃から高校1年まで某音楽教室にてエレクトーンを習っていました。中学以降はエレクトーン用に既存曲のアレンジなど行っていましたが、音環に入るまで作曲経験はありませんでした。大学は普通の私大に行く予定だったので、高校の頃は音楽から離れてまじめに勉強してました!

――どのような展望を持って音環を志望したかをお聞かせください。

正直なところ、なーんにも考えていませんでした。そもそも音環は記念受験のつもりでした。私大文系を志望校に選んでいく延長で、自分がもともと好きだった音楽、ダンス、演劇、サブカルチャーあたりを横断的に学べそうな音環がとても魅力的に映り、どうせセンター試験は受けるし、願書は出しておこう、くらいの気持ちで受験しました。

――受験の時の面接では何をされましたか?

「遠隔で合奏する仕組みを作りたい」というプレゼンテーションをし、最後に例として、事前に撮影しておいた自分のエレクトーン演奏動画に合わせてその場でピアノ演奏しました。なぜか曲はアストロ・ピアソラの「鮫」でした。

プロジェクト/作品制作

――学生時代の活動と、その活動が今の自分(や仕事)に与えている影響についてお聞かせください。

「なにか」に対してのサウンド制作を行っていました。「なにか」の対象は主にアニメーションでしたが、ダンス、朗読劇、ファッションショー、実写映画に音付けをしたこともありました。

プロ1に所属はしていたものの、サウンドデザイン全般に興味があったので(むしろ作曲は苦手でした)、関わった作品ではBGM、SE(サウンドエフェクト)両方作っていました。また、修士論文ではカナダの作曲家ノルマン・ロジェのアニメーション・サウンドトラックの作曲技法を取り扱いました。 

これらは全て、直接現在の仕事に活かされています。ありがたいことです!

学外活動

カンテレというフィンランドの民族楽器を用いた演奏活動をしていました。今も細々ですが継続中です。それと、同級生だった葛城さんとマンドリン&カンテレデュオとしてもオリジナル曲メインで演奏しています。こちらも現役です。
(Karluv207:http://karluv207.web.fc2.com/

――好きな音楽ジャンルを教えてください。

最近、仕事の反動でバキバキの電子音楽をよく聴きます。どのジャンルもあまり詳しくないですが、その分広く浅く、なんでも聴く方だと思います。

音環のメリットとデメリット

――音環で学生時代を過ごしたことのメリット・デメリットについてお聞かせください。

入学前に期待していた「横断的」に学べる、「横断的」に人と繋がれるということが最大の魅力だったなと個人的には思います。

北千住キャンパスは、上野との距離や移動時間を考えると大変なこともありましたが、落ち着いた雰囲気のキャンパスは、のんびりと過ごしやすく良い環境でした。下手すると人がいなくて寂しすぎると感じた日もありましたが……。

特にデメリットとして感じるようなものは何もなかったですが、強いて言うならメリットでも触れたようにキャンパスが独立してしまっているところでしょうか。上野で面白そうな授業をやっていても、履修をあきらめなければいけないこともあったので。

――入学前後でイメージのギャップはありましたか?

入学前に想像していた以上に、横断的に学ぶことができたように感じます。プロジェクト間の横断程度しか想像していませんでしたが、入ってみると他学科や他学部と自分、企業と自分、というように外と接する機会に恵まれていました。

――音環でしかできなかったこと、やり残したことについてお聞かせください。

サウンドデザイン関連の授業は、音環の学生でなければ受けられないという訳ではありませんが、それを主軸に学べるというのは音環の特権だと思います!

やり残したこととしてはもっとDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)の技術的な部分をまじめに勉強していれば良かったと今更思ってます…。この辺りはゼミや授業ではカバーしにくいものだと思うので、自分で作品に取り組んでいる時に意識して自発的に学ぶ姿勢が大事だったなと感じています。

時は金なり!

――現状に満足しているかについて、お聞かせください。

学生時代のらりくらりと過ごしていたので、技術的な面でまだまだ未熟な的な部分が多く現状に満足してはいませんが、音環時代に触れたり学んだりしたことが今の仕事に活かされていることについてはありがたいと思いますし、幸せだなと感じています。

――後輩や受験生に一言、お願い致します。

時は金なり、を会社員になってから痛感しています! その場その場でやりたいことや感じたことをとことん形にして学んでいけることは、学生時代の特権だと思います。悩むことも多いかと思いますが、健康に気をつけて誠実にがんばってください。 (了 2013年12月)

◉プロフィール
1987年東京都生まれ。2010年東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科卒業、2012年同大学大学院音楽文化学専攻修士課程修了。現在は京都の某ゲームメーカーで会社員をしつつ、ひっそり演奏活動や短編アニメーションのサウンド制作などを行う。

 

[目次]

当サイトの著作権は各記事のインタビューイ・作成者にありますが、TwitterやFacebookで情報を共有していただけるとうれしいです。
Twitter ID: @onkantecho_2013

音環手帖